 |
「でも、『プロバイダに個人情報の開示請求を求めます』って書いてあるのじゃ。グスン。」 |
 |
「んー、そこが不当請求業者のミソ文句なのよ。『電気通信の秘密を侵す』のは罰則付きで禁止されてるんだけど、『プロバイダに開示を求める』行為は直接は禁止されていないのよ。」 |
 |
「ほうほう。じゃあ、プロバイダは何があっても通信の秘密は出せない訳じゃな?」 |
 |
「んー。『何があっても』って言うと語弊があるかな。」 |
 |
「ふえ。じゃあ、プロバイダは個人情報を出してしまうことがありえるのかの?」 |
 |
「そうねぇ、簡単に言えばね、犯罪捜査について裁判所が発行した令状があった場合とか、プロバイダがワンクリ業者に訴えられて負けてしまうような場合って感じかしらね。」 |
 |
「イヤじゃ。イヤじゃ。絶対に個人情報を出すのはイヤなのじゃ。」 |
 |
「ちゃんと聞いてよ。あのね、犯罪捜査は捜査機関へ情報を提示するだけなんだから無関係でしょ。それに、でね、法律上支払義務を否定できるものとか否定できる可能性が高い不当請求なんだから、プロバイダは訴えられてもまず負けないでしょ?こんな場合に、自分の顧客の個人情報を開示するってことは考えられないわ。」 |
 |
「ほほう。じゃからか。わざわざ『錯誤無効』とか『そもそも利用規約に法的拘束力が認められない』とか難しい法律上のことをくどくどと、ホントにくどくどと書いてたりしたのは。」 |
 |
「こら。『気を悪くするぞ』」 |
 |
「おっと。口がすべったのじゃ。でもじゃな、弊社顧問弁護士を通じて・・・何て書いてあると不安なのじゃ。」 |
 |
「あのね、単に『弁護士が聞いて来たから通信の秘密を侵して回答した』ってだけだと、電気通信事業法上、その違法性はなくならないのよ。」 |
 |
「じゃあ、何でわざわざ弊社顧問弁護士とか書いてあるのじゃ?」 |
 |
「不安を煽って振込ませたり、連絡を入れさせるためじゃないの?」 |
 |
「おお、なるほどなのじゃ。」 |
 |
「もっと踏み込んで言えばね・・・・・」 |
 |
「何じゃな?」 |
 |
「プロバイダが通信の秘密を侵して個人情報を簡単に開示してくれるんだったら、逆に業者の個人情報も開示してくれるってことでしょ?もしもそうなんだったら、オークション詐欺被害者の人なんかはお金の返還請求がかなり楽になると思うわ。」 |
 |
「おお!そういう逆の考え方もあるのじゃな。」 |
 |
「ん。でね、結局法律上支払う必要も無いし、プロバイダも個人情報を開示しないんだから、『ワンクリック料金請求は怖くない』ってことなの。」 |
 |
「なーるほーどなのじゃ♪」 |