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「え?プロバイダ責任制限法のことね。ただしくは『特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律』かな。」 |
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「そ、それじゃ、それによって発信者情報の開示請求ができてしまうらしいのじゃ。予はめんどうなことになる前に夜逃げすることに決めたのじゃ。」 |
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「あれー?さっき、電気通信事業法って法律があるからプロバイダは個人情報は出せないって言わなかったっけ?」 |
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「それは聞いたのじゃ。それとは別の法律で個人情報の開示請求ができるらしいのじゃ。」 |
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「うーん。どう言えば良いのかな。別にワンクリ業者が開示請求をするのは自由だけど、プロバイダは開示しないわよ。」 |
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「どうしてそう言い切れるのじゃ?」 |
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「だって、そのプロバイダ責任制限法ってのは『情報の流通によって被害が出た場合』の話だもん。具体的にはこんなのを想定してる訳よ。」 |
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■1.名誉毀損、プライバシーの侵害
■2.著作権、商標権の侵害
これらが掲示板に書き込まれた、WEBサイトに構築されたって場合です。
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「えっと、予のケースはどっちになるのじゃ?」 |
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「どっちにもならないでしょ。と言うか、そもそも皇帝さまがワンクリサイトへ行ったって行為は『情報の流通による権利侵害』じゃないでしょ。法律の適用外だよ。」 |
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「何とな!じゃあ、予の個人情報は出ようが無い訳じゃな?」 |
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「ま、この2つの両方ともを満たさないといけないから、『開示請求対象外』ってのが現状のようね。」 |
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■1. 当該情報の流通によって請求者の権利が侵害されたことが明らかなとき
■2. 発信者に対し損害賠償請求を行うなど、開示を受けるべき正当な理由があるとき
そもそも、ワンクリサイトへ接続したという事実は情報の流通による損害ではないので開示請求対象外です。対象外の場合は原則通りプロバイダは個人情報を開示できません。
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「およよ。これはラッキーな情報を聞いたのじゃ。」 |
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「『ラッキー』って、あのね;。この法律によって個人情報を出した場合は、前に言った『正当な行為』ってことになるんでしょうけど、開示対象外だからね。特に気にしなくて良いのよ。」 |
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「うむ。それは分かったのじゃが、相談というかお願いがあるのじゃ。」 |
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「なあに?」 |
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「夜逃げセットを片付けるのを手伝って欲しいのじゃ。」 |
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「おひとりでどうぞ。。。」 |
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「うわーん。なのじゃ。」 |