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「うーん。あのね、デート商法っていうのは恋人商法って呼ばれたりもするんだけど、恋心をくすぐって高い貴金属・宝石とかエステ商品とかを買わせる悪徳商法の一つなの。」 |
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「ふーん。具体的にはどんな手口なのかのう?」 |
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「まぁ、とにかく恋心をくすぐる訳だから、出会いは偶然を装うのね。・・・例えば出会い系サイトだったり、路上でのアンケートとかだったり。懸賞サイトに応募させて当選メールを出して呼び出すなんてのもあるみたいね。」 |
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「うーむ。偶然を装うと恋心がくすぐれるのかの?」 |
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「うーん。デート商法を仕掛ける方は非常に打算的だったりするんだけど、仕掛けられた方は偶然の出会いだって思い込んでるからダマされやすいのね。」 |
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「でも、それくらいは見破られないのかの?」 |
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「見破られない人が多いから『デート商法』なんて名前がついて悪徳商法の一つに挙げられてたりするのよ。」 |
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「そこが予には理解できぬのじゃ。『宝石を買いませんか?』って言われても『要らない』って言えば済む話じゃないのかの?」 |
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「うーんとね、うまいこと言われるのよ。例えば『私たちふたりの将来のために買ってね☆』とか言われて結婚するつもりくらいの気にさせられてたりするのよ。本人は半信半疑でも『信じたい』って心が『要らない』って言葉を封じ込めちゃったりするのよね。」 |
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「ふーむ。でもそういう不当なのは契約を取消したりできぬのかの?」 |
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「そこらへんも巧妙に作られててね、例えばクーリングオフなんかは使える期限が決められてたりするんだけど、その期間が過ぎるまでは『私を信じて!』とか言われるのね。」 |
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「そこを『信じないのじゃ。要らないのじゃ。クーリングオフするのじゃ。』って言えばいいのじゃないのかの?」 |
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「えーと、だからね、それが言えないのよね。半信半疑の状態でも『結婚!?』とかって舞い上がってたりするから『1%でも可能性があるんだったら信じたい』ってね。で、クーリングオフの期限が過ぎれば連絡が取れなくなったりするの。」 |
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「それは詐欺にならないのかの?取消せないのかの?」 |
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「何度も言ってるけど、世の中詐欺的なモノは多いけど、詐欺ってのはなかなか認められないの。」 |
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「どうしてじゃ?『将来のふたりのために・・・』なんて言われたら誰でも結婚?って思うぞえ。」 |
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「そりゃね、『結婚しましょう』とかはっきり言ってたりすれば別だけど、『将来も良い販売員と顧客の関係でいましょうねって意味です。あなたが勝手に勘違いしただけでしょう。』って逃げ道があったりするのよ。」 |
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「うーむ。難しいものじゃのう。。。。」 |
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「しかもね、恋人みたいに仲良くなってたりしたら、貯金の額とか給料の額とかまで知られてたりするのね。」 |
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「別にそれくらいは知られても問題ないのではないのかの?」 |
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「えーとね、さっき非常に打算的って言ったでしょ?支払うことが出来る最大の額くらいでクレジットを組ませたりする訳よ。」 |
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「うーむ。打算的というか、ヒドイ話なのじゃ。」 |
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「それとね・・・相手の事務所とかに行ったりしたらなかなか帰してもらえなかったりして・・・仕方なく契約しちゃったりとかもあったりするの。」 |
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「そういうのも取消せないのかの?」 |
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「えーと、ワンポイントアドバイスするならね、『帰ります。帰してください。』ってはっきりと言うこと。これを言ったのに帰してくれなくて仕方なく契約した場合は、クーリングオフの他に消費者契約法4条3項による消費者取消権によって取消すことができますからね。もちろん、頑として契約しないで帰ってくる方が良いに決まってますけどね。」 |
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「ふーん。逆に相手がウチに来て居座った場合なんかはどうしたら良いのかの?」 |
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「その場合も『買いません。帰ってください。』ってはっきりと言うこと。これを言ったのに帰ってくれなくて仕方なく契約した場合は、クーリングオフの他に消費者契約法4条3項による消費者取消権によって取消すことができます。もちろん、頑として契約しないで帰らせた方が良いに決まってるんだけどね。」 |
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「なるほどの。覚えておくとするのじゃ。」 |
デート商法らしきもので契約してしまった場合は? |
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「アクセサリーの懸賞に応募したのじゃ。当選したのは良かったのじゃが、デート商法みたいなので別の高い宝石を買う契約をしてしまったのじゃ。どうしようなのじゃ。」 |
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「うーんと、デート商法の場合は、クーリングオフの規定が使える事が多いんだけど、クーリングオフできる期間って短い(例.8日間)から早めに手を打たないと行けないわね。」 |
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「うーむ。でもひょっとしたら結婚できるかもしれないのじゃ。信じたいのじゃ。クーリングオフしたら結婚できる可能性はゼロになってしまうのじゃ。」 |
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「あのね、クーリングオフしたくらいで壊れるような間柄だったら、そもそも結婚なんておぼつかないわよ。」 |
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「・・・・・・・・・・そう言われたらそうかも知れないのじゃ。」 |
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「デート商法の中には同性の友達を装うパターンとかもあってね、そんな場合は『友達だよね?キャンセルしないよね?』みたいな感じで言ってきたりするようだけど、この場合でもキャンセルしたくらいで壊れるような友情はそもそも友情なんかじゃないわ。」 |
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「うーむ。そなたははっきりと言う時は言うのじゃのう。」 |
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「だってそうなんだもん。」 |
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「うーむ。それは置いておいてじゃな、実際にクーリングオフとかしようと思えばどうしたら良いのかの?」 |
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「デート商法の場合は商品が高額なことが多いから・・・・多少のお金をかけても弁護士さんとか行政書士さんくらいに依頼するのが良いような気がするけど。」 |
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「こぐまねこ帝国は貧乏国じゃからそんなゆとりはないのじゃ。」 |
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「ゆとりがないんだったら、そもそも宝石なんか買わないでねって思うのは置いといて。うーん。だったら最寄の消費者センターに行って相談しましょうね。」 |
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「うーむ。もうちょっとだけ様子を見てみるってのはダメなのかの。ひょっとしたら結婚できるかもしれないのじゃ。さっきも電話がかかってきて『今度○○へ行きましょう』とか言ってきたのじゃ。」 |
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「そうやって、クーリングオフできる期間が過ぎたら・・・・ドロンよ。お金を捨ててもいいって言うのなら止めないけど、例えば月2万円を5年間払い続けるのって大変よ。」 |
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「でも、でも、でも!なのじゃ。」 |
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「じゃあ、クーリングオフするかどうかは別にして、とりあえず最寄の消費者センターに相談に行って話を聞いてもらいましょう。消費者センターの人はプロだからね、消費者センターの人の話を聞いてからクーリングオフするか決めたらいいんじゃないのかな?」 |
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「うー。ひょっとしたら結婚するかもしれない相手を疑うのってツライものじゃのう・・・」 |
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「というか、そもそも皇帝さまはまだ6歳だから結婚なんてできないでしょ?」 |
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「あ。うっかりなのじゃ。」 |
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「そんなうっかりは別に大したことじゃないんだけど、悪徳商法の場合はそれが不当であっても裁判で負けてしまったりしますからね。宝石会社とかが主催する懸賞サイトの中には懸賞に当たったからとして商品を取りに来させて、恋人商法みたいな感じでアクセサリーとかをクレジット契約で買わされたりすることもありますから、ホントに気をつけましょうね。」 |
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「うーむ。分かったのじゃが・・・出会い系に登録させようとする懸賞サイトとか・・・恋人商法で宝石を買わせようとする懸賞サイトとか・・・怖いところがあるものじゃのう。」 |
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「『タダほど高いものはない』ってことよ。」 |