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ウェブサイトの利用規約の有効性
皇帝閣下大蔵大臣担当大臣したっぱ 住民住民住民住民住民
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 ウェブサイトの利用規約の有効性



1.契約手法に関する問題
(2)ウェブサイトの利用規約の有効性
【論点】
 インターネット通販、インターネット・オークション、インターネット上での取引仲介・情報提供サービスなど様々なインターネット取引を行うウェブサイトには、利用規約、利用条件、利用契約等の取引条件を記載した文書(以下総称して「サイト利用規約」という)が掲載されていることが一般的であるが、サイト利用規約は利用者に対して法的な拘束力を持つのか。
物品の販売やサービスの提供などの取引を目的とするウェブサイトについては、利用者がサイト利用規約に同意の上で取引を申し込んだのであれば、サイト利用規約の内容は利用者とサイト運営者との間の取引契約の内容に組み込まれることにより拘束力を持つ。

■サイト利用規約が契約条件に組み込まれると認められる場合
 ○ウェブサイトで取引を行う際に必ずサイト利用規約が明瞭に表示され、かつ取引実行の条件としてサイト利用規約への同意クリックが必要とされている場合

■サイト利用規約が契約条件に組み込まれるか否かに疑問が残る場合
 △ウェブサイト中の利用者が必ず気が付くであろう場所にサイト利用規約が掲載されている(例えば取引の申込み画面にサイト利用規約へのリンクが目立つ形で張られているなど)が、サイト利用規約への同意クリックまでは要求されていない場合

■サイト利用規約が契約条件に組み込まれないであろう場合
 ×ウェブサイト中の目立たない場所にサイト利用規約が掲載されているだけで、ウェブサイトの利用につきサイト利用規約への同意クリックも要求されていない場合
皇帝閣下 「およ?これはたしかワンクリック詐欺のところの『利用規約の法的拘束力』ってところで出てきたのじゃ。予は覚えておるぞえ。」
○ 「あ、エライエライ。その通りよ。いわゆるワンクリック詐欺(ワンクリック料金請求)はクリック回数も問題なんだけど、むしろこの利用規約に効力がないから支払わないで良いってのが普通の考え方なのね。」
△ 「そうじゃったそうじゃった。たしか、管理人のヤツが2005年の2月頃に経済産業省に聞いていたってことじゃったの。」
○ 「そういうことだったわね。ま、上の考え方が普通なんだけど、ちょっと踏み込んで言えばこんな感じかな。」
■「利用規約」という名称でなければ効力がないか
 例えば「利用条件」「利用規則」「ご同意事項」「ご利用にあたって」など、表題は基本的には効力に影響しない。


■長文難読なサイト利用規約の有効性
 消費者契約法第3条第1項は、事業者に対して消費者との契約が「明確かつ平易なもの」となるように配慮する努力義務を課しているが、あくまでも努力義務に過ぎないので長文難解であったとしても即時に効力は否定されない。 ただし、利用者に不利益な条項が隠蔽されてしまったりするようなケースであれば効力が否定されることもありうる。


■利用規約が変更された場合
 原則として変更後の規約が適用されるが、分かりやすく表示をして同意をとるべきである。また、効力は特約がない限り規約変更前の契約には影響を及ぼさない。


■利用規約が変更された場合の旧規約の立証責任
 民法の原則からいけば利用者側が立証すべきものであるが、利用者は規約の控えなどを取らないのが通常であるためサイト側に立証責任が課される可能性が高い。
△ 「ふーん。じゃあ、利用規約に効力があったらそれに従わないといけなくなるのじゃな。」
○ 「うーん。まぁ、基本的にはそう言うことになるんだろうけど、公序良俗に反する契約は無効だし、BtoC(事業者対消費者)契約だと消費者契約法とか電子契約法第3条とかが絡んでくるわね。」
△ 「えーと、消費者契約法の話をすると・・・長くなってしまいそうじゃのう。。。」
○ 「そうねぇ・・・・果てしなくながーくなっちゃいそうね。」
△ 「うーむ。そこをそなたの力量で何とか簡便に説明できないものかのう?そなたには酷なお題かのう。(¬_¬)ジー」
○ 「何ですって!?。うーん。。。・・・・頑張ってみたわ。これでどう?」
■事業者の責任を制限する条項に対する規制(消費者契約法第8条)
 いわゆる免責条項は無効であることが多い。全部免責は無効であるし、一部無効も故意・過失がある場合は規約の効力が否定される。


■消費者に対する過大な損害賠償額の予定の無効(消費者契約法第9条)
 過大なキャンセル料や違約金などは、平均的な損害額を超える部分についての約定はその平均的な損害額を超える部分に関して無効となる。キャンセル料で稼ごうという手法は通用しない。


■年率14.6%を超える遅延損害金の無効(消費者契約法第9条2号)
 これは有名な規定。消費者契約においては年率14.6%を超える遅延損害金の定めは自動的に年率14.6%に修正される。なお、これは20%→14.6%とするだけのものなので、事業者に14.6%請求できる根拠を与えるものではない。遅延損害金に対する約定がなければ、せいぜい法定利息(民事5%、商事6%)までである。


■その他消費者の利益を一方的に害する条項の無効(消費者契約法第10条)
 民法や商法中の任意規定は当事者の合意によって排除することができるが、これが消費者に一方的に不利益なものである場合は無効となる。「規約が一方的に不利益なものに改悪された」というのは適用外。
△ 「ふっ。切れがイマイチじゃ。まだまだアマチャンじゃの。」
○ 「何よー。せっかく頑張ったのにぃ。」
○参考条文(消費者契約法)

■(事業者及び消費者の努力)
第3条 事業者は、消費者契約の条項を定めるに当たっては、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容が消費者にとって明確かつ平易なものになるよう配慮するとともに、消費者契約の締結について勧誘をするに際しては、消費者の理解を深めるために、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容についての必要な情報を提供するよう努めなければならない。
2 消費者は、消費者契約を締結するに際しては、事業者から提供された情報を活用し、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容について理解するよう努めるものとする。


■(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効)
第8条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。
 一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項
 二 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項
 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する民法の規定による責任の全部を免除する条項
 四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する民法の規定による責任の一部を免除する条項
 五 消費者契約が有償契約である場合において、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるとき(当該消費者契約が請負契約である場合には、当該消費者契約の仕事の目的物に瑕疵があるとき。次項において同じ。)に、当該瑕疵により消費者に生じた損害を賠償する事業者の責任の全部を免除する条項

2 前項第五号に掲げる条項については、次に掲げる場合に該当するときは、同項の規定は、適用しない。
 一 当該消費者契約において、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるときに、当該事業者が瑕疵のない物をもってこれに代える責任又は当該瑕疵を修補する責任を負うこととされている場合
 二 当該消費者と当該事業者の委託を受けた他の事業者との間の契約又は当該事業者と他の事業者との間の当該消費者のためにする契約で、当該消費者契約の締結に先立って又はこれと同時に締結されたものにおいて、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるときに、当該他の事業者が、当該瑕疵により当該消費者に生じた損害を賠償する責任の全部若しくは一部を負い、瑕疵のない物をもってこれに代える責任を負い、又は当該瑕疵を修補する責任を負うこととされている場合


■(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)
第9条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
 二 当該消費者契約に基づき支払うべき金銭の全部又は一部を消費者が支払期日(支払回数が二以上である場合には、それぞれの支払期日。以下この号において同じ。)までに支払わない場合における損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額を超えるもの 当該超える部分


■(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第10条 民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。
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電子商取引に関する準則
├ 1.契約の成立時期(電子承諾通知の到達)
├ 2.ウェブサイトの利用規約の有効性
├ 3.なりすましによる意思表示の本人への効果帰属
├ 4.なりすましを生じた場合の認証機関の責任
├ 5.未成年者による意思表示
├ 6.管轄合意条項の有効性
├ 7.仲裁合意条項の有効性
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