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「予は怒ったのじゃ。もうしたっぱとは絶交するのじゃ。」 |
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「ネットマナーの基本的なところで『相手を気遣ってやること』って教わったんじゃなかったのか?」 |
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「う・・・そう言われたらそうじゃったのじゃ。」 |
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「ひょっとしたら、メールが届かなかったのかもしれないし、何か特別な事情があってメールを読んでないだけなのかもしれないだろ?たったそれだけで仲の良い友達と絶交してどうするんだ?」 |
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「うー、でも、仲が良いからこそすぐに返事を返して欲しいのじゃ。何か予は裏切られたような気がするのじゃ。」 |
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「まぁ、その気持ちも分からないでもないけどな。」 |
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「じゃろ?悪いのはしたっぱなのじゃ。予は悪くないのじゃ。」 |
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「あー、皇帝さま、ここにいたぁ。ずっと探してたんだからね。」 |
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「したっぱではないか。予がメールを出したのにどうしてすぐに返事を出さないのじゃ?プンスカ(怒)なのじゃ。」 |
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「ひょっとして携帯のメールのこと?それだったら、皇帝さまのパソコンのメールアドレスの方に返事出したよぉ。ケーキバイキングの待ち合わせ時間になっても来ないから探したんだからね。」 |
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「なんじゃと!?ケーキバイキングとな。今から突撃をかますのじゃ。おっほっほ。」 |
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「こらこら。そこは『なんじゃと!?パソコンのメールアドレスの方にじゃとな?そっちは見てなかったぞえ。』だろ?」 |
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「おっほっほ。そんな小さなことにこだわるようでは、そなたもまだまだじゃぞ。予はこれよりケーキバイキングへ行って参るでの。ではさらばじゃ。」 |
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「・・・・・・行っちまいやがった。ま、何らかの事情があるんだろうから、短気は起こさずにってことだな。『短気は損気』という言葉もあるんだから。」 |
出所がはっきりしないものは書かない |
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「がーん。なのじゃ・・・・・・」 |
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「ケーキバイキングへ行ったにしては早く帰ってきたんだな。」 |
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「大変なのじゃ。ケーキ屋さんが潰れてたようなのじゃ。しかもじゃな、張り紙に『都合により3日間休業します』って書いてあったのじゃ。毒でも入っていたために休業に追いやられたとかいう噂なのじゃ。予はたくさんの人にメールで注意することにするのじゃ。」 |
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「こらこら。本当かウソか分からないことをメールするんじゃないぞ。これは絶対にしてはダメだ。」 |
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「どうしてじゃ?本当に毒が入ってたのなら、大変なのじゃ。被害に遭う人が出る前にみんなに教えてあげないといけないのじゃ。」 |
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「どうしてもこうしてもない。その噂がデマだったらどうなる?メールってのはあっという間に相手に届くんだ。そのケーキ屋さんは『毒が入っている』というデマによって潰れてしまうんじゃないのか?」 |
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「う・・・でもじゃな、毒に当たってしまう人が出る方が大変じゃと思うのじゃ。人の健康とか命とかそんなのの方が大切なのじゃ。」 |
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「・・・似たような例でな、○○銀行が潰れそうだって話を聞いて『○○銀行が潰れるらしい。早く預金をおろしましょう』って善意でメールを発信した人が逮捕されたことがあったんだ。」 |
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「え?なんで逮捕されるのかの?善意でやったんじゃないのかの?」 |
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「んー、確かに善意でやったことみたいだし、それが本当のことなら別かもしれないが・・・・・・それがウソやデマだった場合、元が善意だったとしても『信用毀損』っていう犯罪になってしまうんだ。」 |
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「えー、そんなのは不当逮捕なのじゃ。○○県警に抗議文を送るのじゃ。」 |
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「あのな、不当だろうが何だろうが、逮捕されない方がいいだろ?それに、逮捕されなくても『損害賠償』という形で賠償させられる可能性もあったりするんだ。」 |
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「逮捕も損害賠償もイヤじゃが・・・でも、それは銀行の例じゃからであって、人の直接の被害の場合は別かもしれないのじゃ。」 |
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「んーとな、『××って会社の商品には枯葉剤が入ってるみたいだ』ってメールマガジンで一斉に送信した事案で、裁判所に『700万円を支払いなさい』って言われた人もいるんだな。」 |
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「それは・・・・・・善意というのはやっちゃいけないことなのかの?」 |
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「やっちゃいけないというか、本当かデマか良く分からないことをメールで発信してはダメだってことだ。メールなどの場合は一気に広がってしまうことがある訳だけど、噂がデマだった場合には『ごめんなさい』では済まないこともある訳だ。」 |
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「じゃあ、何も書いちゃいけないのかの?」 |
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「うーん。お役所が公表しているものや読売新聞、朝日新聞などの全国紙に書いてあるものならまず信用できる情報なんだろうけどな。」 |
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「ふーん。分かったのじゃ。出所がハッキリしない噂はメールで流さないことにするのじゃ。」 |