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「うむ。最近は銀行とか郵便局とかのATMのところに『振込め詐欺にご注意!』のような注意書きを良く目にするようになったのじゃ。」 |
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「そうね。その一言で被害を食い止めることができる可能性もあるんだから、あれは良いわよね。」 |
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「でもじゃな、最近はなにやら『東京都**区**** **−**−***へ現金を送れ』とかいう架空請求が発生しているようなのじゃ。」 |
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「そうみたいね。銀行口座の不正取得が禁止されるようになったことと時期が似てるから、その副作用かもしれないわね。」 |
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「なるほどなのじゃ。でも、予は不思議なのじゃ。郵送先が分かるのじゃったら、さっさと警察が乗り込めば良いのではないのかの?」 |
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「んー。その送金先住所が本当に架空請求業者の住所なら一網打尽かもしれないけど、この手の輩は『私設私書箱』を利用してるようね。」 |
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「え?何なのじゃ?その私設私書箱とやらは。」 |
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「バーチャルオフィスっていうのかな。最近のSOHO(small office、home office)などのニーズから、名義上の住所を貸すサービスってところかしら。月額数千円程度で利用できるところも多いみたいね。」 |
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「えーと、もう少し分かりやすく説明が欲しいのじゃ。」 |
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「要するにね、私書箱サービス業者から郵送物送付先住所や電話番号などを暫定的に借りるの。で、私書箱サービス業者は受け取った郵送物や電話を転送するってわけ。匿名性を確保するサービスだから、規制が必要なハズなんだけど放置されてるのよ。」 |
| ※総務省が、犯罪の温床となっている無届営業の転送電話サービス業者の告発に動き出したところです。 |
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「ふーむ。なるほどのう。」 |
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「ただ、まぁ、対処法的には一般の振込め詐欺と一緒ね。」 |
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「えーと、どうしたら良いのじゃったかの?」 |
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「んと、慌てて送金しない。誰かに相談すること。支払義務があることが分かってから送金する。これに尽きるでしょうね。」 |
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「ふむ。じゃあ、郵便局の窓口なんかに『送金詐欺にご注意!』のような説明書きがあれば親切かもしれぬのう。」 |
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「あ。確かにそうね。ふふ。皇帝さまもたまにはマトモなことを言うじゃないの。えらいえらい。」 |
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「おっほっほ。予はえらいでのう。たまにはマトモなことを言うのじゃ。」 |
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「あ、それから、警察庁がこんなのを公表したりしてるわ。」 |
| 警察庁:被害関係住所一覧表 |
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「ふーむ。警察もたまには良いことをするものじゃの。おっほっほ。」 |