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「消費者に催眠術をかけて眠らせて、その隙にハンコを勝手に押してじゃの、消費者が起きたら『ほら、この通り契約成立してますよ。覚えてるでしょ？』とか言う非常に悪質な悪徳商法のことじゃ。」 |
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「うーーーーーん。何となく合ってそうな気もしちゃうけど、それだと『悪徳商法』ではなくて『詐欺』でしょ？『有印私文書偽造』の方がしっくりいくかな。犯罪なのよ。」 |
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「およ？悪徳商法っていうのは犯罪になるのじゃないのかの？」 |
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「悪徳商法っていうのはね、文字通り『悪徳』だから困るの。明白な犯罪なら『契約は公序良俗違反だ』とか言って無効にできたりするんだけど、悪徳の多くは法律の盲点を突いてるものが多いの。だからこそ困るんだけど、『犯罪』とは一線を画すわね。」 |
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「ふーむ。でもじゃな、催眠商法の答えはさっき予が言ったので合ってるんじゃろ？」 |
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「あってナイナイ。皇帝さまが言ったのは文字通りの催眠術でしょ？世間一般で言う『催眠商法』とは違うわね。」 |
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「ふーん。じゃあ、世間一般で言う催眠商法っていうのは一体どんなのなのじゃ？」 |
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「典型的なのはこんな感じかな。まずね、『無料で○○プレゼント』みたいな感じで人を集めるの。」 |
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「うむ。予は『無料でプレゼント』という言葉には弱いぞえ。間違い無くプレゼントをもらいに行くのじゃ。」 |
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「ん。そうやって人が集まってくるわよね。で、人を集めた後にもどんどんとプレゼントを出していくの。」 |
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「それはバンザイなのではないのかの？どんどんもらえてバンザイに決まってるのじゃ。」 |
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「ただ、催眠術的に心理状態を操ってるって言ったわよね。景品もだんだんと値段の高いものになっていったりするんだけど、その変わりに景品の数を減らしていったりするの。」 |
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「おりょ？そしたらもらえる確率が減るではないか。」 |
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「うん。ここがポイントなんだけど、くじ引きとかゲームみたいなので抽選してって感じになるんだけど、だんだんと熱中していっちゃって『自分がもらいたい。他の人に取られたくない。』って心理状態が発生しちゃうのよね。」 |
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「それは良くないのじゃ。『みんな仲良く』がこぐまねこ帝国のモットーなのじゃ。」 |
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「みんな仲良くか・・・それができたらいいんだろうけどね、『自分がもらいたい。他の人に取られたくない。』って心理状態に陥っている時に、『この布団セットは通常は５０万円しますが、今日だけ、しかも５名様にだけ２０万円でお譲りします。』なんて言われたらどうなると思う？」 |
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「えーとじゃな、予のおこづかいは月３００円しかないから買えませんって言うのじゃ。」 |
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「え、え、えーと、そうじゃなくて、聞く人を間違えたかなぁ・・・・（困）」 |
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「分かっておるのじゃ。そんな心理状態に陥ってるときに『限定特価情報』を出されたら、つい買ってしまう人が数人は絶対にいるのじゃ。」 |
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「話の協力ありがとね。それで、しかも他人が申し込んだら『自分も申し込まないと損』とか、とにかく『他人に取られたくない』って心理が働いちゃうのね。」 |
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「ふーむ。自業自得のような気もしないではないのじゃが。」 |
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「その意見も確かにあるわね。同じような心理状態に陥っていても、申し込まない人もいる訳だから。ただこういった場合はね、後で冷静になった時に『あれ？無駄なしかも高額な商品を買う契約をしてしまった』って思っちゃうことが多かったりするのよね。」 |
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「うーむ。何か上手い対処法はあるのかの？」 |
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「うーん。クーリングオフの要件を満たせばクーリングオフできる訳なんだけど、そうじゃなかったら消費者契約法とか民法の規定が使えるかどうかで判断ってことになるわね。」 |
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「クーリングオフって何じゃ？」 |
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「うーんとね、クーリングオフって言うのは、消費者に認められた非常に強い解約権みたいなものなんだけど、一定の条件を満たす必要があるのね。」 |
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「ふーん。一定の条件って何じゃな？」 |
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「以下の４つくらいは満たさないとダメなんだけど、漠然としてて分からないよね？」 |
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① 訪問販売であること（営業所等以外の場所での契約申し込みとかである）
② 政令で指定された「指定商品」「指定権利」「指定役務」であること
③ 申込み・契約書面を受け取ってから８日以内であること
④ 例外や適用除外に該当しないこと
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「うむ。それだけで分かるのなら、そもそも『催眠商法』とやらには引っ掛からないと思うのじゃ。」 |
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「そうかもね。ま、クーリングオフについてはここで説明しきれるものじゃないから説明は省くんだけど、万一『催眠商法』っぽいものにかかった場合にはどうしたらいいか分かる？」 |
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「えーとじゃな、クーリングオフには８日間とかいう短い期限があるから、１日でも早く消費者センターなどに相談に行くのが肝心なのじゃ。」 |
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「ええっ！？」 |
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「『ええっ！？』って、予は何か間違えたことを言ったのかの？」 |
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「あ、ごめんね。皇帝さまがまともなことを言うものだから・・・つい。」 |
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「おっほっほ。予もたまにはまともなことを・・・・・・・・って一体どういう意味なのじゃ。」 |
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常に冷静に。