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「まったく困ったヤツらじゃ。こぐまねこ帝国領内ならしょっぴいてやるところじゃ。」 |
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「ここでちょっと話を変えるね。あのね、普通に民事裁判を起こそうとしたらね、ものすごく大変なの。」 |
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「おおう。話ががらっと変わったのじゃが、そんなに裁判を起こすのは大変なのかの?」 |
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「そりゃね。いろんな法律のことは知っておかないといけないし、何回も何回も審理とかのために裁判所とかに行かないといけなかったりして時間とお金がものすごくかかっちゃうの。」 |
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「弁護士さんに頼めば良いのではないのかの?」 |
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「うーん。弁護士さんに頼めばもっとお金がかかっちゃうかもよ。弁護士さんの費用だけで100万円とかもっとかかるかもしれないもん。」 |
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「えーとじゃな、相手に支払ってもらおうとする金額が20万円とかだったらじゃな・・・80万円のおお赤字ではないか!?」 |
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「でしょ。でね、20万円とかの金額だった場合でもね、泣き寝入りしないでいいようにって『少額訴訟』って制度がもうけらてるの。」 |
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「ふーむ。どういった制度なのじゃ?簡単に説明してたもれ。」 |
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「60万円までの金銭のトラブルに関してね、原則として1回の審理で簡易裁判所が判決を出してそれが確定するの。」 |
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「ふっふっふ。予は知っておるぞよ。たしか、裁判ってのは判決に不満があったときはの、最高裁とかまでいけば全部で3回受けられたはずじゃ。」 |
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「うーん。学校ではそう習ったと思うんだけど、『少額訴訟』ではね、判決に不服があっても控訴とかできないって決められてるから1回しか受けられないの。」 |
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「なんじゃと!?では、ザコキャラである簡易裁判所の判決なのにじゃな、それが確定してしまうというのかの。」 |
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「ザコキャラとか言わないでね。でも、確定してしまうってのは真っ当にこの制度を利用している人にはあり難い制度なんだけどね、悪徳業者とか詐欺師がこの制度を悪用したりするの。」 |
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「どういうことじゃ?」 |
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「基本的にね、裁判ってのは主張と主張を互いに言いあってね、どちらの主張が正しいのかってのを裁判所が判断する訳なの。ここでね、片方が裁判に出席しないで何も主張しなければどうなるかな?」 |
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「えーとじゃな・・・裁判にならないぞよ。」 |
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「でしょ。じゃ、この場合にはどうするのかってことだけどね、裁判に出席もせず何も主張をしなかった方は不戦敗ってことにしちゃう訳ね。でね、悪徳業者とか詐欺師の請求を無視するのは良いことなんだけどね、裁判へ出席することも無視してしまったら・・・どうなるかな?」 |
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「・・・えーとじゃな・・・あれがああなって・・・これが・・・・うっ!!・・『メモリーが足りません』・・・ピーっ!!」 |
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「あのね、分からないなら素直に分からないって言ってね。」 |
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「良く分からないのじゃ。」 |
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「ハイハイ。でね、仮に架空請求であっても、裁判所からの呼び出しを無視して出席しなかったらね、不戦敗(敗訴)しちゃってね、もともとが架空請求なのに裁判所が『支払いなさい』って言ってきて強制執行までしてくるの。」 |
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「簡易裁判所はザコキャラなのに、悪徳業者とか詐欺師の片棒をかつぐとは・・・ザコキャラどもを成敗してやるのじゃ。」 |
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「確かにね、架空請求の片棒をかつぐザコキャラにも問題がないとは思わないわよ。でもね、そのザコキャラ・・・もとい簡易裁判所は悪用されただけだからしょうがないよ。」 |
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「じゃあの、どう対処すれば良いのじゃ?」 |
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「簡単でしょ。裁判所からの通知だけは無視しない。仮に通知書が来たりしたら本当に裁判所からの通知なのかどうか裁判所へ確認をとりましょうね。」 |
| 通知書が偽造されたものである可能性があるので通知書の連絡先を過信しないこと |
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「でもの・・・裁判とかは怖いのじゃ。」 |
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「かもね。でも所詮は架空請求・悪徳不当請求だからね、きちんと対応さえすれば負けるはずない訳なんだから。でね、慌てない・一人で抱え込まないで誰かに相談すること。これが非常に大切なことですからね。」 |
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「ふーむ。まず負けないのか。・・・逆に精神的苦痛を味わったとして慰謝料を請求してやっても勝てるかもしれないのじゃ。」 |
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「うーん。慰謝料を請求したら裁判では勝てるだろうけどね。でも、こぐまねこ帝国的にはススメないな。」 |
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「どうしてじゃ?勝てる可能性が高いのじゃろ?予は慰謝料をがっぽり分捕ってやるのじゃ。」 |
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「考えてみてよ。仮に勝訴判決を勝ち取ってもね、悪徳業者がドロンしてたら支払なんか行われない訳なんだから。時間とお金だけ使っちゃうって結果に終わっちゃう可能性が高いんだからね。」 |